ご依頼のきっかけ
この度は火災保険対応での施工事例です。
お客様にお聞きしたところ、訪問販売業者に「瓦がズレていますよ」と声を掛けられたそうですが、修理してもらうなら近所で信頼できる業者に、と弊社にご依頼を頂きました。
点検すると、どうやら積雪の重みで瓦がズレてしまっていたようです。
訪問販売業者は福井県でも多いのですが、適当な工事をされる場合も少なくはありません。
注意喚起としては、車のナンバーが他県でないかチェックしたり、名刺を貰って、ホームページが存在するかなどの確認が重要です。
施工前
こちらは施工前、棟の頂の冠瓦のみを撤去した状態です。今見えている平らな瓦は「のし瓦」と言います。
今回は瓦の割れなどは起こっていませんでしたので、既存の瓦を再利用して修理を行います。
番線や漆喰の劣化が深刻化すると、強風や積雪の重みで崩れるリスクがあります。
もしその際に割れが生じてしまうと瓦の交換も必要になってしまうため、できるだけ早い段階でメンテナンスするのが最適と言えます。
施工中
大棟の積み直し
棟の頂には、冠瓦という瓦を積みます。
しかし、ただ積むだけではもちろん落下してしまいますので、瓦同士を密着させる役割として、南蛮漆喰を乗せていきます。南蛮漆喰は普通の漆喰とは異なり防水材やシリコンが混ぜられていて強力なため、現代では多く用いられています。
また、瓦を固定するために重要な番線も、ステンレス製の錆びないものに交換をします。
公式サイト▷ミテラカワラ店の瓦工事について
隅棟・下屋根の積み直し
隅棟と下屋根の棟に移ります。大棟と同様に南蛮漆喰を乗せます。
手前に数枚置いてある瓦が、この漆喰の上から設置する冠瓦です。
冠瓦の並びは、ご住宅の印象を形づくる要素です。
特に下屋根の棟などは見えやすいため、美しく整然としていると風格も漂ってきます。
漆喰詰め直し
次に漆喰の詰め直しを行います。
瓦屋根には欠かすことのできない漆喰ですが、瓦の寿命が数十年と非常に長いのに比べ、漆喰の寿命は約15年程度であることに注意が必要です。
特に、瓦と瓦の間に挟まれている部分ではなく、写真のように露出している部分は常に直射日光・雨にさらされるため劣化が起こりやすいです。
表面が灰色に変色したり、剥がれが起こったりした場合には早めにお問い合わせくださいませ。
参考サイト▷瓦屋根には漆喰補修が必須!費用相場や補修内容を解説
完工
今回の施行期間は4日です。
以下は完工後の写真です。
こちらは大棟の端にある、鬼瓦の周辺です。
重量のある瓦ということが写真からも確認いただけるかと存じますが、新しい漆喰と番線で強力に繋ぎ止めています。
冠瓦を積み直し・番線交換した大棟と下屋根の棟です。
きっちりと正しい位置に整列し、ステンレス製の番線で大雪の際でも耐久性が増しました。
担当者のコメント
今回のように、台風や積雪など火災保険が適応できるケースもございます。
ただ保険適応期間は3年以内と定められておりますため、気になるという方はお早めに一度、ご相談ください。
ミテラカワラ店では国家資格「一級かわらぶき技能士」が在籍しております。
長年屋根を通して皆様の暮らしと真摯に向き合ってきた経験を活かし、お悩みを解決致します。
コメント